Interview
Management Interview

マネジメントインタビュー

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丹原 貴広

執行役員 CFO / COO

ベンチャー企業の屋台骨を支える
経営戦略と組織力

1983年生まれ。大手日経銀行に新卒で入行。楽天に転職し、20代で3部署のマネジメント職を経験。大手コンサルティング会社を経験し、2017年にGENEROSITY(当時SnSnap)に入社。営業、経営企画、資金調達、MBOを経て現在執行役員CFO兼COOを兼務している。

営業の経験は、学生時代の家庭教師のアルバイトから

__丹原さんは執行役員CFO兼COOとして、財務・経営管理だけでなく、人事や営業部門の責任者も兼務されています。学生時代から現在のキャリアにつながる活動や勉強をしていたのでしょうか?

学生時代は経営学部でしたが、特別勉強に力を入れていたわけではありません。ただ、少し変わった経験として、家庭教師の「営業のアルバイト」をしていました。  中高生のいるご家庭に訪問して、家庭教師の契約を獲得する仕事です。社員と同じように月間の売り上げや成果を求められたので、学生アルバイトではあるものの、社会人の基礎や営業としての姿勢が身についたと思います。

__学生時代から、社会人と肩を並べて営業の仕事に力を入れていたのですね。

そうですね。どうせやるなら実績を上げたい。もともと達成意欲が強い性格が発揮されたのだと思います。「他の社員と比較して、どうしたら数多く受注できるのか?」を、常に意識していました。  アルバイトでは月間全国1位の売り上げを達成したこともあります。社会人になる前に貴重な学びを経験できたと同時に、自分なりの成功体験として印象に残っています。

__営業の仕事を学生のうちから経験していた丹原さんですが、就職活動ではどのような業界を目指していたのですか?

初めは、業界の方向性はあまり定めずに就職活動をしていました。というのも、当時は特にこれといったやりたいことや興味のある業界も特になかったため、幅広く就職活動を行いました。  結果的にメガバンクに入行することを決めたのは、若いうちから会社の経営者や上役とやりとりができることに魅力を感じたことが大きな理由です。なんとなく、子供の頃から経営者に漠然とした憧れがあったのも影響していると思います。自分の成長につながるのではないか、という希望を持って就職しました。

新卒銀行員から、実力主義の

メガベンチャー企業へ転職した理由

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__銀行に入行してから、どのような仕事に取り組んでいましたか? また、今に活きている経験や実績があれば教えてください。

配属された支店では、中小企業のお客様を相手にした、融資業務に取り組んでいました。ここで培った仕事の“コツ”のひとつが、徹底的な業務の効率化です。  ルーティンワークを時短でこなし、その分の時間を難易度と付加価値が高い仕事に割り当てる。具体的には、ルーティンワークは常に3ヶ月先まで終わらせ、新規の提案書に一日時間を割けるような状態を習慣化するようにしていました。 

そのうち、支店の中で一番担当先を持っている自分が、一番残業が少ない状況を維持し、前任者が取れなかった契約を取れるようになるなど、少しずつ結果を出せるようになっていきました。  付加価値の高い仕事と、そうではない仕事に振り分け、前者に力を注げるような状況を作ることが、成果を出す上でひとつ大切なことだと学びました。

__その後、ITメガベンチャーの大手企業に転職されますが、銀行からITベンチャーに移られた経緯を教えてください。

もともとは、銀行在籍時に証券アナリストの資格を取った上で、実力主義で報酬も高い証券会社に転職し、M&A関連の仕事に携わりたいと考えていました。  しかし、資格を取得したタイミングでリーマンショックが起こり、金融業界は転職がほとんどない状況となりました。転職するにしても方向性を変えないといけない。そう考えた時、「若くしてチームを持ってマネジメントができる環境」に身を置きたいと思いました。  当時、ベンチャー企業の成長が目覚ましく、自分の思い描く環境に合っていたのが、メガベンチャーの楽天でした。

__銀行からベンチャー企業への転職で感じたギャップなどがあったら教えてください。

ある程度心構えはしていましたが、「本当に実力主義の会社」でした。  新卒1年目の社員がきちんと実績を評価されてMVPに選ばれ、上司が自分より年下であることは当たり前。銀行とは全く異なるカルチャーに最初は戸惑いましたね。

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どんなステージでも結果を出す、普遍的なスキルを求めて描いたキャリアプラン

__銀行とではかなり企業風土に違いがあったかと思いますが、その後チームリーダーとして活躍されたと聞きました。新たな業界で実績を上げるために、どのような点を意識して取り組んでいたのでしょうか?

まずは、身近にいたトッププレイヤーの方々をよく観察し、真似ることから始めました。とはいえ、真似だけでは数字を超えることはできません。そこで、他のメンバーにも負けない、自分にできるプラスアルファは何かと考え、「銀行員時代の財務分野の知見」をお客様への提案に入れるようにしていきました。  自分だからこそできる提案に価値を感じてもらえるようになれば、徐々に成果が出てくるものです。入社2年後には営業チームのリーダーを任せていただき、その後3つの部署を担当しました。

__転職時の希望通り、チームのマネジメントができる立場に就いたのですね。

そうですね。楽天では、チームリーダーとして成果を出すのはもちろん、仕事自体に楽しさ感じていました。フットワーク軽く動ける環境に自分は向いている、と気づいたのも楽天時代です。

入社して4年ほど経った頃には、自分のやり方にも自信を持っていました。  とはいえ、それは一企業の中での自信に過ぎません。「自分のスキルは、世の中の企業で普遍的に通用するものなのか?」「どのステージでも結果を出せるスキルを身に付けるにはどうしたら良いか?」  ひとつの希望を叶えたところで、次の課題を意識するようになっていきました。

__さらに自分の成長を求めて、次のステージを考えるようになったのですね。次の転職先としてコンサルティング会社を選んだのはなぜですか?

企業を分析し、課題解決に導くエキスパートが揃うコンサルティング会社へ行けば、振り返って自分がやってきて良かったところや、これからの伸びしろがどこにあるのかがわかるのではないか、と考えたからです。 

約4年間で在籍したコンサルティング会社は2社です。1社ではファイナンスの仕事、もう1社ではブランディングやマーケティングの仕事に取り組みました。コンサルティング会社では、企業の重要な意思決定に関われるプロジェクトを複数経験することができ、大きなやりがいや自身の成長を実感することができました。一方、自分は「ベンチャー企業が向いている」と感じていたので、コンサルティング会社で数年経験した後、ベンチャー企業の経営に近いところで仕事ができるようになりたい、というキャリアプランを描いていました。

GENEROSITYでの最初の仕事は、「決まっていないことを決めていくこと」

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__GENEROSITYと出会った経緯と、初めの印象を教えてください。

その頃は、まだ社名がSnSnapで、創業3年目くらいだったでしょうか。採用サイトから声をかけていただきました。コンサルティング会社で4年ほど経験を積み、自分としてもそろそろタイミングを感じていた頃だったので、SnSnapに入社することに決めたんです。   

「ベンチャー企業=フットワーク軽く仕事が進んでいく」というイメージは持っていたものの、「想像以上に差があるな」と感じたのが最初の印象です。 

 

具体的には、ひとつひとつの手続きや手順が決まっていないこと。むしろ、それらを決めていくことが仕事なのだと、入社してみて改めて気づかされました。  入社前に西垣さんとは「会社全般の課題解決にコミットしていきたい」との話をさせていただいていたので、まずは製品やお客様、売り上げなどを把握していくために、営業としてスタートしました。

__営業で3〜4ヶ月経験を積んだ後、経営企画に移られたそうですね。経営企画では、どのような仕事をされたのでしょうか?

こではマネージャーを任され、売り上げ管理、コスト管理、人事などに渡って、全社的な方向付けや戦略を担当することになりました。かなり広いですよね。  とはいえ、あらゆる物事の決裁手順が決まっておらず、しかも効率的に動けていない状態を解決するには、経営的な目線で決めていくことが必要不可欠です。自分自身がやりたいと思っていたことでもあるので、やりがいは感じました。 

会社が生き残ることはもちろん、社員を守ることのできる会社にするために

__各所の課題解決のために、全社的な戦略立案をしていったのですね。その中でも、経営企画部のマネージャーとして一番注力したことを教えてください。

主に時間をかけたのは、資金調達ですね。たくさんの金融機関に足を運び、私たちの事業内容や将来性を、財務内容の資料と合わせて説明させていただきました。そうして、金融機関から融資を取り付ける仕事です。 

 

とにかく、まずは財務体力をつけることが、SnSnapの緊急の課題だと考えました。私たちは、クリエイティブ系のベンチャー企業です。この業界は、景気や外部環境の変化に非常にさらされやすい。私は、リーマンショックを銀行員時代に経験していたので、どのような業界がどのくらいの経営インパクトを受けたかを体感しています。  リーマンショックと同じくらいの状況が生じたとしても、当時のSnSnapが継続できるよう財務体力をつけなければならない。会社が生き残ることはもちろん、給料をきちんと支払うなど、社員を守れる会社になるためにも早急な資金調達は欠かせませんでした。

__資金調達も容易くはなかったかと思いますが、その後、SnSnapの株式を持っていた投資ファンド、いわゆる親会社から株式を買い戻すMBO(※)でも、資金面で苦労をされたそうですね。

社長の西垣さんはじめ、平沼さんや役員の方々と中期的な計画を立てるにあたり、MBOの話が出てきました。ただ、株式を買い戻すにはまとまった資金が必要になる上に、期限が決まっています。 

 

MBOを遂行することが決まってからは、今度は様々なベンチャーキャピタルや投資家の方々にお声がけし、私たちの事業内容をプレゼンして回りました。期限が決まっていたので、ちょっとでも可能性のあるところへは足を運び、ある証券会社のパーティーでは、西垣さんと私で何十人とに声をかけたこともありました。 

そういった経緯もあり、なんとかMBOに必要な資金を集めることができました。期限というプレッシャーのある中でしたが、今ではがむしゃらにがんばった良い思い出です。   

※MBO(マネジメント・バイアウト):企業の経営陣が既存の株主から株式を取得し、新たにオーナー経営者として独立すること。

営業の組織化によって、フィードバックの精度と受注率を向上させる

__資金面での基盤づくりがひと段落ついた後、営業部門のマネージャーに手を挙げられたそうですが、次の課題として取り組んだことを教えてください。

資金面での緊急の課題が無事に終わり、次の課題として焦点が当てられたのが営業の組織化です。具体的な問題として、例えば、ある営業担当者が辞めてしまった際に、担当先のお客様と連絡がつかず、お取引がなくなってしまうという状況が起こっていました。  いわゆる、お客様の情報が社員個人に紐づいてしまっている問題です。  営業・提案・受注・納品までの仕組みを作るにあたり、楽天で営業のマネジメントの経験が活かせると考え、自ら手を挙げました。そこで、弊社が何社・何人のお客様を抱えているのかを見える化し、システムで管理できるようなプロジェクトを進めました。

__多くの企業にとってありがちな悩みですよね。営業の組織化によって、GENEROSITYにどのような変化や効果がありましたか?

それまでは、誰がどのお客様を担当していて、いつアプローチしたのか全くわかりませんでした。そのため、先輩も後輩に対して的確な指導ができない状態だったのです。 

営業の組織化が進むと、誰がどの会社にいつアプローチしたか、全社員が見えるようになったので、提案もれが少なくなり、先輩から後輩へのフィードバックの精度が上がりました。数字の結果としても、私たちのサービスや製品を選んでくれるお客様が増えましたね。

__営業のシステムを整備したあたりでコロナが起こりましたが、実際にどのような影響がありましたか? また、どのような対応をしたのか教えてください。

リアルイベントが激減し、月次ベースですが、一時期は昨年比マイナス50%を超えるような状況に陥りました。ただ、これはGENEROSITYだけでなく、広告業界やイベント業界は軒並みかなりの下落幅となったと思います。 幸いにも、このような状況になる前に財務体力をつけていたことで、最悪の事態を免れることができました。事業環境としては厳しいものの、ひとまず今後の方向性を考えられる余裕があったわけです。 

 

まずは、コロナ禍を踏まえた上で、私たちに何ができるかという方向に思考をスイッチし、役員たちと話し合いを重ね、コロナ禍でもクライアントが求めるサービスやプロダクトを提案する方向に舵を切っていくことになりました。  その後、コロナ渦の中のデジタルシフトの流れも追い風となり、通期で過去最高売上を達成することができました。

誰もがトッププレイヤーとして活躍し、最先端のクリエイティブを提供する企業に

__コロナという環境を追い風に捉えて更なる成長を遂げているGENEROSITYですが、現在の会社としての特徴や、そこで働く人の印象について教えてください。

まずひとつ、GENEROSITYの良い点として、1人1人の担当している範囲が広いという点が挙げられます。営業で例えると、企画・プランニングから提案、さらに実際の制作ディレクションまで1人が主体的に関わることができます。お客様からは、1人の担当から責任を持って最初の提案から最後の納品まで担当してもらえるので、「安心して任せることができる」というフィードバックをいただいています。 

 

二つ目は、フラットな環境だという点です。誰が言っているかよりも、何を言っているかを重視する文化があります。また、横のつながりで助け合う文化も良い点ですね。部署内だけでなく、部門間を超えて、大変そうな人がいたら声をかける。誰が指示をしなくても、助けの手を差し伸べられるのは良い点ではないかなと思います。

__営業部門の責任者として、丹原さんが取り組んでいきたい今後の課題はなんでしょうか?

この業界全体に言えることですが、特に生産性の部分で、未だ個人の経験や能力に依存している部分が大きい。けれども、特定のトッププレイヤーが実践していることは、実は多くが真似できることだったりします。 

これから私が注力していきたいのは、入社歴が浅い人でもスター選手に近い仕事ができる環境を整えることです。生産性を上げるノウハウを抽出し、個人にフィードバックする仕組みや、簡単にアドバイスを受けられる仕組みを作り上げたいと考えています。

__GENEROSITY全体としての展望があれば教えてください。

GENEROSITYは、ハイブランド様とのお取引が多いです。そのため、一緒にプロジェクトを作り上げる中で、最先端のクリエイティブに関する知見がたまる環境にあります。 

それらの知見を、#SnSnapを筆頭としたプロダクトに落とし込み、さらに様々な企業に、高品質なサービスを手軽に提供できる事業を広げていく。  ハイブランド様向けの大型案件を展開しながら、もう少し手軽にご利用いただけるプロダクトやサービスを揃えつつ、たくさんのお客様に提供していきたいと考えています。